近況報告

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...... 2018年02月18日 の日記 ......
■ 富美子の足   [ NO. 2018021802-1 ]


勝手に名付けた「谷崎潤一郎まつり」。
今月1日に当欄に記しました「春琴物語」につづき、
「富美子の足」を観てまいりました。
実にくだらなかった。

谷崎を谷崎たらしめている、
「美への拝跪」も「女性に支配される悦び」も
全く感じられなかったのでございます。

原作の「足フェチ」が、
映画では「脚フェチ」になっており、
それはそれで現代劇に翻案する上で
必要なことだったのでしょうから
いいのですが、
問題は、女性の脚の美しさに対する
敬意や愛情が画面からはさっぱり伝わってこなかった。

「シナリオ」2月号に掲載された、
監督のウエダアツシ自身の言葉によると
「自分の中に足フェチに通ずる部分を探すも見つからず、友人の脚本家・平谷悦郎に協力を仰ぎ、共にシナリオを書きました」
とのこと。

つまり、女性の足(脚)の美しさに惚れ惚れと見惚れる
という経験も体験もなく映画を作っているわけで、
自分が感動しないもので観客を感動させられる
わけがない。

主演女優の脚がちっとも美しく見えないのです。

富美子を演じた片山朋美さん。
ネットで調べると、
グラビアアイドルでもあって
身長が170cmあるとのこと。
本当は綺麗な脚をされていると思うんですが
監督がその美しさに感動してないから
美しさが全く表現されていない。
長い脚を剥き出しにすればいいというものでは
ないでしょう。

しかも、登場する男たちがそろいもそろって
嫌な野郎ばかり。

富美子の脚の美を拝し跪くのではなく
アリが甘いモノを貪るように
まるで女性の脚がモノであるかのごとく
その美を貪るのみで、
富美子さんの人権も人格も無視して。

ついにキレた富美子さんが、
力でもって反逆するのですが
それがSMなんかではなくて
ただの暴力なんですね。

どうも監督が描きたかったのは
「狂気」ではないかと思われ、
それはそれで成功しているのですが
つまりは、
女の脚に惹かれる脚フェチや、
フィギュア作家や
マゾヒストなんかは
彼の目からは「狂人」にしか見えないということを
表現しているのでございます。

反谷崎映画としては見事なもんです。

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