 3世紀、ノルウーマンディの女戦士スカラーが、東アジアを征服した。これを「スカラーの東征」と呼ぶ。
「東征記」はその顛末を叙述したものである。
北欧から興り、ヨーロッパを制覇、アジア大陸をも版図に収めた女権国家ノルウーマンディ公国は、大陸の東の彼方、まつろわぬ民が住む、「邪蛮」と呼ばれる地域の攻略に乗り出した。
「邪蛮」は、その名に恥じない、奸智にたけた邪(よこしま)な蛮人が跳梁跋扈する蛮地・・・という風に思われていた。
「東征記」は、そんなズル賢い蛮人を、「可愛い顔してやることエグい」と評判のスカラーが、悪知恵を発揮して出し抜き、征伐していく話。
従って、その中身はといえば、勢い、姦計、陰謀、謀略、ペテンや裏切りや悪だくみが渦を巻き、殺戮と暴虐と淫蕩に彩られたものになるのは必定であった。
その中で、比較的微笑ましい逸話として親しまれているのが、彼女と須加之屁命(スカノヘノミコト)を巡るやりとりであろう。
その話の前に、まずはノルウーマンデー公国勃興の話をしましょう。
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