
第一章 須加之屁の捕縛 (7)
湯に浸かって、今や遅しとスカラーを待つ須加之屁の耳に、ようやく、スカラーの近づく足音が聞こえてきました。
須加之屁が、丸裸のスカラーを期待して頭をめぐらすと、酔いでとろんとしたその目に飛び込んだのは、ヌードどころか、武装したスカラーの姿だった。
予想外の展開に驚く須加之屁命(スカノヘノミコト)。
「おのれ、たばかったな!」
怒り心頭に達したが、頼りの九層薙剣(くそなぎのつるぎ)は手元になかった。 流石の彼も、入浴中はその自慢の武器を携えてなかったのであった。
スカラーを力づくで制圧しようにも、酒が抜けずに力が入らない。 逆に、スカラーに制圧され、チンコ剥き出しのあられもない姿のまま、縛りあげられてしまったのであった。
世に言う「須加之屁の捕縛」事件である。
なお、この温泉場は、武装したスカラーを見た須加之屁が、驚きのあまり 「あれま!」 と叫んだことから「あれまの湯」と呼ばれるようになった。
後に、「あれま」が「ありま」に転訛。「ありまの湯」の名で親しまれている。
画像は、スカラーによる須加之屁の捕縛。 湯煙で良く見えない。
もっとちゃんと見える絵を、 サイトに掲載予定でございます。
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