
第一章 須加之屁の捕縛 (2)
邪蛮を征服するため、有力者須加之屁を支配することを企んだスカラーだが、それには、彼を殺すのではなく、生け捕りにしなければならない。
そこでスカラーは一計を案じた。
須加之屁は湯治を好み、しばしば山中の温泉場に逗留したが、スカラーは、そうした機会をとらえ、突然彼を訪ねたのである。
スカラーの使者を通じて訪問を打診されたとき、須加之屁の従者たちは、 「何かの策略に違いありません。拒否なさいませ」 と、反対する者が多かった。
しかし、須加之屁は、彼女の訪問を受け入れる。
その頃、邪蛮の土民の間には、彼らの暦法でいう「二の足の年」に、西方から太陽の皇女(みこ)がやってきて、暗黒の世を照らす…という噂が広がっていた。
その皇女、スラリとした長身に、白皙の肌、髪は金色に輝いている、と信じられていた。
もちろん、スカラーが、手懐けた土民を使って、周到に流布させておいた「噂」である。
「太陽の皇女を味方につけるのは、悪いことではあるまい」 というのが、須加之屁が彼女の訪問を受け入れた表向きの理由。
実のところ、須加之屁は、かねがね、スカラーの光輝く美貌の噂を聞いており、根がスケベな彼としては、そんな絶世の美女に会う機会をみすみす逃すことは出来なかったのである。
画像は、暗黒の世を照らす太陽の皇女(みこ)スカラーのイメージ。 彼女自身が謀って広めたウワサだけど。
|
|