
第一章 須加之屁の捕縛 (1)
当時、邪蛮では、各地に有力者が国を作って割拠していたが、それら小国家の間に地域的統合の機運がきざし、さらに、小国家連合から、統一的な国が生れようとしていた。
群雄あい並ぶ中で、天にのぼる朝日のように勢いが盛んで、めきめきと頭角を現し、邪蛮の覇王と目されていたのが、須加之屁命(スカノヘノミコト)。
須加之屁は、もともとは姉で女王の屁女呼(ヘメコ)に仕えていた。 側近の序列では筆頭だったが、彼に継ぐ側近の中大小皇子(ナカノオオエノコオウジ)をたぶらかし、そそのかして、謀反を起させ、屁女呼を亡きものにした。
しかるのち、「姉の敵討ち」を大義名分として、中大小皇子の一統を打ち滅ぼし、自らが王となったのである。
須加之屁は、万事、そんな風な、えげつないやり方で、近隣の諸王をなぎ倒し、その勢力は、邪蛮の半分にまで及んでいた。
とはいえ、須加之屁の支配権は盤石ではなく、勢力圏内にも、反須加之屁の国々が点在していたのだった。
スカラーは、邪蛮攻略に先だって、手なずけた土民を諜報員として派遣し、そうした状況を熟知していた。
彼女の目論見は、邪蛮の国々を自ら攻め滅ぼしていくのではなく、それら征服活動には有力者の力を使い、その有力者を支配するというものだった。
そんな彼女が目を着けたのが須加之屁だった。
画像は、「かわいい顔してやることエグい」と評判の征服者スカラー |
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