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...... 2025年10月29日 の日記 ......
■ 「沼正三と天野哲夫」批評(9)   [ NO. 2025102901-1 ]
本日も、昨日につづき、
鈴木真吾氏の論文
「沼正三と天野哲夫 ある覆面作家の素顔をめぐって」
に見られます、
沼正三のマゾヒズムに関する誤謬についての
お話でござします。

当該論文では

"天野の場合、倉橋に対する崇拝例に見たよ
うに、白人女性にこだわらず、ヘラやアテネ
的な要素を持ち合わせる様々な女性に向けら
れている。
これは白人女性に対する無条件降
伏と服従を根底のテーマにしてきた『ヤプー』
や沼のマゾヒズムと、天野のマゾヒズムの間
にある大きな相違点だろう"

"女主人崇拝の点で、沼と天野は
共通点を持っているが、天野には沼を特徴付
ける白人崇拝が欠けている"

との記述がございます。
これを読む限り、

(1)沼正三は白人女性にこだわり、
彼のマゾヒズムは、白人女性以外の
ヘラやアテネ的な要素を持ち合わせた女性には
向けられていない。

(2)天野には白人崇拝が書けている

との主張でございます。

しかし、
(1)については、例えば
『ある夢想家の手帖』第3巻
76章_日本のクイーン
を読めば明らかなように、
沼は日本の女性であっても、
ヘラやアテネ的要素を持ち合わせた
高貴な女性に対する拝跪願望は
十分に持ち合わせているのでございます。

(2)については、天野の初めての書籍
『女帝ジャックリーンの降臨』
には十分に白人崇拝思想が読み取れます。

もちろん、同書に表されたマゾヒズムが、
生身の人間たる天野哲夫氏のマゾヒズムに
合致したものであるかどうかはわかりません。

プロの書き手である天野氏が
自身の性的嗜好とは関係なく、
時流に合わせて「白人崇拝マゾ」を盛り込んだ作品を
上梓した可能性も十分にあります。
(というか愚仙人はそうじゃないかと思っている)

しかし、書き手の本当の嗜好がどうであれ、
「天野哲夫」の名のもとに著された著作に
表わされている性的嗜好を
「天野哲夫」なる仮想人格の
性的嗜好として読むことこそが、
"「テクストとしての天野哲夫」を読み解く"
ことではあるまいか。

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